ロルフ博士は、
『筋膜は構造の器官であり、三次元空間で身体を正しく保つための器官である。』
と述べています。

筋膜とは皮下組織から存在する白い薄い膜です。英語のFasciaを筋膜と訳しているため誤解されがちですが、筋肉だけを包む膜ではありません。
筋膜は骨、内臓器官、血管、神経など身体のあらゆる構成要素を包み込み、それぞれの場所に適正に位置するよう支えています。つまり、私たちの身体は、全身が筋膜という容れ物で中身を傷つけないように包まれているのです。

(Photo by Ronald Thompson)

〈筋膜(白い薄い膜)
 
筋膜の主成分は、タンパク質の分子であるコラーゲン組織のため、可塑性に富んでいます。可塑性とは、粘土のように一定の圧力で形を変えられるという意味です。


そのため、ケガ・緊張・ストレスなどによって、筋膜は短くなったり、硬くなったり、他の筋膜と癒着したりして形を変えます。そして、右図の通り、変形した筋膜は、その部分にとどまらず、身体全体の構造に影響を及ぼすのです。


そこで、ロルファー(施術者)は、自分の手・肘・腕などを使って、圧力と熱をクライアントの身体に加えます。これにより、萎縮した筋膜を伸ばし、硬化した筋膜に弾力を与え、癒着した筋膜をはがしていきます。そして、筋肉・腱・靭帯などの柔組織を解剖学的に正しい位置に戻します。このようにして身体全体の構造をバランスさせていくのです。

<ベストに例えた筋膜>
ベストの端を引っ張ると、ストレスは様々な方向へ広範囲に伝わります。そして、そのストレスがベストの伸縮限度を越えるとベストは変形したままになります。